ソムリエ試験/ワインエキスパート試験 2次試験(テイスティング)対策
早速本題ですが、
効率のよい(=費用的、時間的に)テイスティング対策について述べます。
以下の内容について順に述べていきます。
【1】独学?スクール?ワインバー?
【2】品種当てから入るか、品種当ては邪道だと捉えるか
【3】具体的な訓練方法
①練習のためのワインを用意する際の5つのポイント
②100円ショップのグッズで、ブラインドテイスティングの訓練を一人でする方法
③品種判定をする時の考え方
【1】独学?スクール?ワインバー?
最初の分かれ道として、スクールに行くかどうか、という選択がありますね。
お金がたくさんある人は、リアルのスクールとかWebのスクールとかを使ったら良いと
思います。ただ私見としては、スクールに行かなくても十分対策可能です。
ワインバーも使えたらいいですが、今はコロナのため、使うのは難しいかと思います。
(コロナ禍でも営業しているワインバーを見つけていくのは、悪くないと思います。
もちろん、コロナには十分注意してください。)
【2】品種当てから入るか、品種当ては邪道だと捉えるか
ここでは「独学を前提に」記します。独学を前提とすると、私の考えは完全に「品種当ての訓練をするほうが良い」です。理由は3つ。
理由①
独学で練習がしやすいこと。ワインをいくつか買ってきて、ブラインドの訓練をしよ
うとする時、答えがボトルに書いてあって、簡単に〇か×かの訓練ができる要素は
「品種」ですよね。「~~の外観」「~~のニュアンス」といった要素は、裏のシー
ル等に多少書いてあるものもありますが、裏のシールにはそんなにいろいろな情報が
あるわけではありませんし、逐一ネットで調べたりするのも結構大変でしょう。
理由②
品種を当てて、その品種によくあるコメントを選んでいけば、そう大きく外すことは
ないこと。これに対してコメント主義の人は「品種なんて当たらなくても、コメント
をきちんと選べれば受かる」と言ったりしますが、私からすると「品種を考える前に
コメントを正確に選べるまでに訓練・上達するほうが、よほど難しい」と思います。
理由③
「〇〇のニュアンス」みたいなのを正確に嗅ぎ取る訓練は、合格後にすればよいと思
っていること。「試験合格はスタートにすぎない」と多くの人が言いますが、私も、
特にプロの人はそういえると思っています(愛好家の人は、スタートにするもゴール
にするも、個人の自由だと思ってます)。であれば、試験合格時にそんなにしっかり
できてなくてもいい。まずは受かって、そのあとにしっかり学んでいけばいい、とい
うのが私のスタンスです。
以上より、
「品種当ての訓練をして、その品種によくあるコメントをしっかり覚えて答える」
のが最短距離だと、私は考えています。
確かにコメント部分の配点が高いため、
「品種さえ当たれば、コメントは外してもいい」なんて言うつもりはありません。
しかし「コメントを当てるにしても、品種を当てるのが有効。そしてそのほうが訓練しやすい」というのが私の考えです。
実際、多くの対策サイトや個人ブログなどを見ても、
「近年は品種よりコメント(が重視されている)」と書きつつも、
対策としては「品種を当てるのがなんだかんだ近道」といっているところが多いように思われます。
【3】具体的な訓練方法
具体的な訓練方法については、さらに
①練習のためのワインを用意する際の5つのポイント
②100円ショップのグッズで、独学で品種判定の訓練をする方法
③品種判定をする時の考え方
④コメント対策
の4つに分けてお伝えします。
①練習のためのワインを用意する際の5つのポイント
まずは練習のためのワインを用意しましょう。どんな品種を買うかは、ここで解説してもいいのですが、他のサイトで過去出題のワインとかいろいろ紹介してますので、そちらに譲ります。ここでは、品種以外の購入ポイントを5つ記します。特に5)が大切です。
1)単一品種のを買う(品種判定なのでまざってないほうがいいですね)
2)品種は広げすぎない(ある程度買うことは必要。けどむやみにマイナーなのを
買う必要はありません。何を買うかは、他サイト等を参考にしてください。)
3)価格は800~2000円(品種により2500円ぐらいも)ので良い。高くなくていい。
4)ハーフボトルがある品種は、ハーフで可。
5)基本、1つの品種につき2種類(2種類以上)買う!(代表的なのは特に)
1種類だと「点」でしか理解できませんが、2種類あると「線」で理解できます。
例えば、ラーメンを食べたことがない人がラーメンの味を覚えようと思ったら、
「しょうゆ、みそ、とんこつ」を1種類ずつだけ食べるのと、
「しょうゆ2種、みそ2種、とんこつ2種」を食べるのと、
どちらが、違いを理解しやすいか?
1つだけだと「これがたまたまそういう味なのかな?色なのかな?」と思うような
ところ、2つあると、「とんこつは白いんだ」「みそはこういう味か」と、
だいぶ納得感を持って理解することができるでしょう。ワインも一緒。
②100円ショップのグッズで、ブラインドテイスティングの訓練を一人でする方法
さて、いよいよ品種判定の訓練です。これを皆さんいろいろな方法でやっていると
思いますが、100円ショップで買えるものを使って一人で訓練する方法を以下に紹介
しますので、やってみてください。
(似たような方法で練習している人も多いのではと思いつつ、
意外と、こういうやり方を紹介している人がいないので、紹介します)
この方法なら、一人でガンガン練習することができます。
③品種判定をする時の考え方
ブラインドテイスティングの練習を上のようにやるとして、
品種判定をする時の考え方について、1つお伝えします。
それは
「品種判定をする上では、自分なりの味の捉え方で全く構わない」ということです。
例えば私の場合は、
・渋くて舌がザラザラするのがカベルネ・ソービニヨン
・香りがバっとくる感じで、でも香りが強い割に比較的まろやかなのがメルロ
・色が超濃くて、超渋いっていうか焦げ臭い感じなのがシラー
と理解しました。
「カシス」とか「ブラックチェリー」なんて用語は全く使っていません。
でもそれでいいんです。重要なのはあくまで品種を見分けることなのだから、
その見分け方は、あなた独自の素直なもので構わないのです。
だから極端な話、仮にあなたが「シラーはコーラみたいな味がするな」と思ったとしても全然OK(試験合格的には)。だって、そういう特徴を感じられるあなたは、本番のワインがコーラみたいな味がした時に「あ、これはシラーだ」ときちんと判定できるのだから。
ただし、シラーとわかった時に実際にマークすべきコメントはきちっと覚えておく必
要があります(これがコメント選択対策の部分です)。
シラーだと思ったら、「ブラックチェリー」などがまさに典型的な正解候補となるわけです。
この点、
「〇〇のニュアンスがわからないから、~~の品種がわからない」
「~~の品種は△△の香りがすることが多いというけど、自分にはわからない」
「だから2次試験はダメだ~~」とか言う人がいるのですが、
上の通り、
「品種を判定できること」と「ソムリエ的な香りやニュアンス等が実際にわかること」は、(論理的に考えればわかるのですが)まったく関係ありません。
勘違いして自信をなくしている人がいたら、まずそれを認識しましょう。
ここまでのことに納得できたら、繰り返しますが、
あとはその「自分なりの見分け方」を、「何度も飲み比べて」発見していくのみです。
上の動画で紹介したやり方などで、ガンガン飲み比べてください。
・・テイスティングの練習をしていると、
「カベルネもシラーも色が濃くて渋い点で似てるけど、違うところはどこだろう?」
「白は色が全部似てるし、辛口で酸味もあるし、大きな違いなんてないんじゃない?」
といった局面にきっとさしかかります。
そんな時に役立つのは、他人の
「リースリングのほうが、酸がきれいでしょ?」なんていうアドバイスではありません。なぜって、他人に言われてアッサリ納得できるほどの違いなら、すでに自分自身でもとっくに感じられているでしょうから。
また例えば、野球でピッチャーの投げる球がストライクかボールかを見分けるのは、もはや理屈ではないでしょう。バッターは数多く打席に立つうちに、各自、どこかで自分なりの見分け方、というのを体得していくのだと思います。
テイスティング試験でも、どんな見分け方でも全く構いませんが、とりあえずそういう、「あなたなりの見分け方」「あなたが感じる(各品種の)違う点」をあなた自身が見つけ、覚えておくことがとても大切です。ここだけは他人に任せられない部分なので、ぜひ頑張ってくださいね。
(・・・と、なんだか厳しそうに書いてしまいましたが、ここはゲーム感覚で楽しく
できるところです。人によって手こずる品種があるかもしれませんが、真剣かつ楽し
く頑張ってください。また、「自分なりの見分け方」をつかむことが大切だとは言い
ましたが、これは必ずしも「一人で練習しろ」と言ってるわけではありません。友達
と一緒にいろいろ言い合いながらも、最終的には“各自が、自分の判別法を”それぞれ
見つけられるならば、それはそれで実のある勉強時間だと思います。)
④コメント対策
最後にコメント対策ですが、上にも書いた通り、
「赤だったら、ブドウが何であれまずはコレ、コレ、コレ」
「さらにカベルネだったらコレ、コレ、コレあたりをチェック・・・」
というように、選ぶべきコメントをだいたい覚えておきましょう。
品種と、代表的なコメントの対応表みたいのは、いろいろなサイトに載っていますので、ここでは割愛します。
こうして、外観・香り・味わいについては品種とセットで覚えたコメントを選択し、
適正温度はだいたいの感覚で、ヴィンテージは勘で答えましょう。
その際は、必ず、2次試験のテイスティング解答用紙(コメント等が羅列してあるもの)と同じものを使って練習(選ぶコメントの暗記)をしましょう。
また、テイスティングの本などを買ってくる人もいますが、そのような本は、1冊ぐらいあってもいいですが必要ではありません。ネットの情報を物色すれば十分といえるでしょう。「解答用紙と向き合い、品種ごとの典型的な正解コメントを覚えるために、必要な範囲でネットを物色する」ぐらいで良いと思います。
(「逆に、サイトをいろいろ見るのが面倒・・」という人は、富田葉子さんの本を買う
と良いと思います)
以上、私が考えるテイスティング対策でした。
2次試験、頑張ってください!